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2017年2月1日発行(Vol.17,No.5)


地震予測サマリ−
〇警戒レベルアップ地域
なし
〇警戒レベルダウン地域
なし

地震予測サマリー
〇概況
・週間高さ変動で4cm超の異常が見られた点は8点で、その内5cm超の点は3点。 異常点の分布は北海道道東、福島県、長野県、富山県、兵庫県、岡山県、徳島県と比較的分散。他の点は静謐状態。
・隆起沈降は、従来2014年1月を基点にしていたが今回から2015年1月に変更。全国的に隆起傾向。

〇レベル5
(震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある)

南関東周辺

〇レベル4
(震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高い)

南海・東南海地方
九州
東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
北信越地方・岐阜県
南西諸島

〇レベル3
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い)

鳥取県・島根県周辺
北海道道南・青森県
北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
北海道北部
北海道道央

〇レベル2
(震度5以上の地震が発生する可能性がある)

なし

〇レベル1
(何らかの異常変動があり、今後の推移を監視する)

なし

※使用データと計測期間について
「週間高さ変動」
 計測期間:1月22日〜1月28日 速報解(R3データ)使用
1週間の短期的な高さの変動を表します。

「水平ベクトル」
 計測期間:1月22日〜1月28日 速報解(R3データ)使用
水平方向の動きを矢線で表します。 4週前と比べてどの方向に4ミリ以上水平変動したかを矢印の向きと長さ(変動の大きさ)で表しています。 短期的な動きを捉えることができます。

「隆起沈降図(H)」(地震予測エリアマップのベースとして使用)
 計測期間:1月1日〜1月7日 最終解(F3データ)使用
2015年1月を基点とした高さ(正式には楕円体高)の隆起沈降段彩図(色別の等高図)です。
黄緑・黄色・赤・茶色は数値がプラス(隆起)、青色系統の色はマイナス(沈降)を意味します。 濃い色ほど値が大きいです。

「6か月間の週間高さ変動」
 計測期間:2016年7月17日〜2017年1月7日 最終解(F3データ)使用
過去6か月間で5cm以上を記録した点です。

・JESEAは、国土交通省国土地理院の電子基準点データを解析に使用しております。 各エリアの地震予測毎に約2〜3年間にわたる長期の異常変動の傾向を示す 「隆起沈降図(H)」をベースに 1週間の短期的な高さの変動を表す「週間高さ変動」と過去6か月間のF3データの「週間高さ変動」で5cm以上を記録した点、 そして水平方向の4週前との変動を矢線で表した「水平ベクトル」を掲載します。
今まで掲載していた「東西変動図」、「北南変動図」は「累積変位マップ」と同じように3か月に1度、特集で掲載いたします。


【目次】
1.お知らせ
2.地震予測
3.地震情報一口メモ
4.皆様の街の電子基準点


1.お知らせ
1.週刊MEGA地震予測のリニューアルについて
 これまでよりも分かり易い誌面に変更いたします。
1.名称変更 「週間変動(H)」→「週間高さ変動」(1週間の短期的な高さの変動を表す)
X,Y,Z→わかりにくいので、できるだけ誌面では使用しないように変更。
2.各エリアの地震予測に地図を加えました。
地図は2015年1月を基点とした「隆起沈降図(H)」をベースに下記3点をプロットしました。
・過去6か月間に「週間高さ変動」が5cm以上を記録した点(緑)
・前週の「週間高さ変動」4cm〜6cm(黄)、6cm〜8cm(赤)、8cm〜(黒)を記録した点。
・4週前を基点とした「水平ベクトル」

2.今回の最終解(F3データ)について
 以下の理由により、今回、国土地理院より公開される最終解(F3データ)は更新されませんでした。
そのため、隆起沈降図(H)は前回と同じ1月1日〜1月7日のデータを使用しております。
ご了承ください。
なお、速報解(R3データ)は更新されたデータを使用しております。

(以下は国土地理院HPより)
「本日1月30日(月)更新予定の日々の座標値及び対流圏遅延量推定値(2017年1月8日〜2017年1月14日分)について、 解析に必要なIGS最終暦の公開が遅れているため、更新が通常より遅れます。」

よろしくお願いいたします。


2.地震予測
レベル5:南関東周辺
(3月ごろまで警戒)

yosoku1
 今回三浦半島で比較的大きな南南東方向の水平変動がありました。 昨年7月から5回にわたって一斉異常変動があったのち、現在小地震の発生も見られない静謐状態を続けており、 警戒を怠らないようにした方が良いでしょう。
異常変動の後、一定の静謐期間を経て大きな地震が起きることは過去の事例でもあります。
上図を見ればわかりますように、 駿河湾沿いおよび伊豆諸島の新島および式根島で沈降が進行している一方で大島および三宅島は隆起しており不安定です。 ひずみが貯まっていると考えられます。
また、1月30日に神奈川県の小田原と三浦のプライベート電子観測点に異常変動がありました。 警戒を続けてください。


レベル4:南海・東南海地方
(4月ごろまで注意)

yosoku2
 徳島県北部で震度3の地震が起きました。
四国地方は南東に変位しているのに対し、海域は北西に変位しており、 南海・東南海は互いに押し合う拮抗状態にあります。 高知県中央部の吉川は東方向に大きく変動をしており、ひずみが貯まっております。 注意を継続してください。


レベル4:九州
(熊本地震の余震が継続)

yosoku3
 昨年4月に起きた熊本地震の影響はとても大きく、いまだに震度3クラスの余震が続いています。 地震で起きた異常変位が新たなひずみを起こしています。
熊本県の和泉で大きな南西方向の水平変動が起きました。 九州南部では南東方向の比較的大きな変位が見られます。 注意が必要です。


レベル4:東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
(地震常襲地帯で3月ごろまで注意)

yosoku4
 秋田県内陸南部、岩手県沖で震度3、茨城県北部、宮城県沖で小地震が起きました。
この地域は地震常襲地帯になっています。
今回福島県の檜枝岐で5.4cmの異常変動がありました。 前回積雪と思われる異常変動が秋田県および山形県でありましたが、今回奥羽山脈の内陸部で小地震となって現れました。 前回茨城県の太平洋岸北部で水平方向と高さ方向で異常変動を続けていますので 要注意を呼びかけましたが茨城県北部で小地震が起きています。 茨城県北部の北茨城と里美はごく近いにもかかわらず全く異なる方向の水平変動をしてひずみが貯まっています。
今回から隆起沈降図が2015年基点に変わりましたが、2011年の東日本大震災の影響がまだ残っており、 東北地方の太平洋岸は隆起、反対側の奥羽山脈側は沈降を続けています。 不安定な動きをしており、この地域では震度5クラスの地震を常に警戒しておいた方が良いでしょう。


レベル4:北信越地方・岐阜県
(4月ごろまで注意)

yosoku52
 今回長野県白馬で5.8cm、R大町3で4.5cm、富山県上平で4.5cmの異常変動がありました。 上図を見ますと能登半島の北端が沈降しています。 先週に続いて長野県の軽井沢で大きな北方向の水平変位が見られますが、 方向の不自然さから火山の影響を考慮したほうが良いでしょう。 注意が必要です。


レベル4:南西諸島
(2月ごろまで注意)

yosoku6
 今回は静謐ですが、南西諸島は常に南東方向に比較的大きく変位を続けておりますので注意が必要です。


レベル3:鳥取県・島根県周辺
(鳥取地震の影響は少なくなりつつあるも2月ごろまで注意)

yosoku72
 昨年10月に起きた鳥取地震の影響は少なくなりつつありますが、 影響圏の岡山県中和および兵庫県の村岡でそれぞれ4.8cm、4.6cmの異常変動がありました。 積雪の影響も考えられますが、高さ方向で不安定な変動をしておりますので今しばらく監視を続けます。


レベル3:北海道道南・青森県
(3月ごろまで注意)

レベル3:北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
(積雪の影響があるので3月ごろまで注意)

レベル3:北海道北部
(積雪の影響があるので3月ごろまで注意)

レベル3:北海道道央
(3月ごろまで注意)

yosoku82
 北海道道南・青森:この地域は青森県の南方向にかけて水平方向の変位が急に大きくなる地域にあたっているため、 常にひずみが生じやすい地域となっています。小地震の発生も多い地帯ですので監視を続けます。

 北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺:今回羅臼で4.8cmの週間異常変動がありました。 NTTドコモの支援で新たにえりもに設置したプライベート電子観測点で1月27日と28日にかけて異常が見られました。
釧路・根室周辺は常に沈降状態を続けております。阿寒2では異常に隆起しており北西方向の水平変位が見られます。 えりもに近いS浦河で南西の大きな水平変位が見られました。 最近は中央部の東川で積雪の影響と思われる異常沈降と南方向の水平変位が見られます。 このエリアは不安定な状態ですので注意を怠らないでください。

 北海道北部:道北の中川と羽幌2は互いに近いにもかかわらず全く異なる方向の水平変位をしておりひずみが貯まっています。 監視を続けます。

 北海道道央:今回は小樽で東方向の異常変位が見られます。しばらく監視を続けます。


3.地震情報一口メモ
  [No.202:JESEAユーザー大会、今村遼平氏の講演No.13]
【現在注目されている活断層にどんな断層がありますか?】
 現在注目されている活断層は巨大地震の後に重点調査された活断層です。
 2008年の中国四川省地震の後に重点調査に指定された活断層は次の6箇所です。
1.三浦半島の断層群、2.神縄・国府津ー松田断層、3.富士川・河口湖断層、4.糸魚川ー静岡構造線沿いの断層群、 5.琵琶湖西岸の断層群、6.中央構造線断層群(奈良ー四国)
 2011年の東日本大震災の後に重点調査に指定された活断層は次の3箇所です。
1.双葉断層(宮城県・福島県)、2.立川断層(埼玉県・東京都)、3.糸魚川ー静岡構造線断層帯の牛伏断層(長野県)


4.皆様の街の電子基準点
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今週の電子基準点:千葉県の市原2

写真提供者の尾島孝幸様からコメントをいただいております。
「千葉県房総半島の中心部市原市立加茂中学校のグランド脇のプールサイドに設置されてある電子基準点です。 近くには養老渓谷があります。 早朝でしたので生徒が登校する前でした。」
ありがとうございました。
電子基準点の写真募集
 電子基準点の写真を撮影し、下記メールアドレスにお送りください。 写真を送信する際には、お名前、ご住所(粗品送付用)の他に、 電子基準点を撮影した場所や探すまでの方法や苦労話などをお書きください。
※学校などの敷地内への無断での立ち入り、撮影などは行わないでください
※車道からの撮影など、危険な行動は避けてください

contact@jesea.co.jp
お送りいただいた写真は、こちらで選ばせていただき、 「週刊MEGA地震予測」、「nexi地震予測」にお名前入りで掲載させていただきます。 採用された方には粗品を贈呈いたします。
(送付いただいた写真の使用権はJESEAに帰属いたします)


ご購読、ありがとうございます。 ホームページでも詳しい技術的な説明など、情報発信しております。 よろしければ、チェックしてみて下さい。よろしくお願いいたします。
http://www.jesea.co.jp
※「週刊MEGA地震予測」では、国土地理院のGNSS連続観測点データを元に導き出した地盤の変動情報と過去の地震の震源、震度、 マグニチュード、被害の程度などとの相関分析をして、地震の前兆現象として捉え地震予測を提供しています。 だいたい、震度5以上の地震を想定しております。
JESEAの地震予測は震源地やマグニチュードを予測するものではありません。揺れる地域と震度を予測します。
※データは欠測値の有無および上空視野障害や受信ノイズ等による受信障害 の程度により信頼性を評価した上で棄却する場合があります。
※地震は複雑な自然現象です。本情報はあらゆる地震をすべて予測できるものではありません。 また、予測が外れる場合もあります。

※解約について
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まぐまぐ
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